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健康な肌ってどんな肌?|スキンケアの為に知りたい皮膚の構造と役割

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・肌のトラブルを解決したい。
・スキンケア商品を買いたいけど何を選んでいいか解らない。
・この化粧品はなぜ使う必要があるの?
・どのタイミングでどのように使えばいいの?

スキンケアにおいて大事なことは、皮膚について知ることです。皮膚の構造と役割を理解した上でスキンケアをすると、化粧品の効果も今よりグーンとアップするかもしれません。

皮膚がどのようにつくられていて、その内部構造がどのようになっているか。そして皮膚がどのような役割を担っているのかをお伝えします。

皮膚の構造

皮膚の断面イラスト

皮膚は大きく分けて「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造でできています。
皮膚表面から「表皮」、その下に「真皮」さらにその下に「皮下組織」があるという構造です。
皮膚の表面は細かい皮溝(ひこう)と呼ばれる溝が刻まれており、この皮溝に囲まれた小さなふくらみを皮丘(ひきゅう)と呼びます。これがお肌のキメです。

「表皮」の構造と役割

表皮は厚さが平均約0.2mmの非常に薄い層ですが、表皮の構造と役割を知る事は美容やスキンケアを考える上でとても重要です。特に化粧品はこの表皮に影響を及ぼすものがほとんどです。

表皮は皮膚表面から

・角質層(かくしつそう)
・顆粒層(かりゅうそう)
・有棘層(ゆうきょくそう)
・基底層(きていそう)

の4層構造になっています。

表皮細胞の約90~95%が角化細胞(ケラチノサイト)で、約5~8%が色素細胞(メラノサイト)やランゲルハンス細胞です。残り数%が触覚細胞の1つであるメルケル細胞やα樹状細胞等です。

・基底層

・核のある立方体~円柱形の基底細胞等が並んでいる1層構造。基底膜を介して真皮と接していて波をうったような形をしています。
基底細胞・・・基底細胞は細胞分裂して皮膚の表面に近づきながら、有棘細胞、顆粒細胞、と変化し最後に角質細胞になる。代謝が活発な細胞です。
色素細胞・・・色素細胞(メラノサイト)は紫外線によってメラニンと呼ばれる色素を生産し、このメラニン色素により紫外線によるDNAの破壊や皮膚癌の発生を未然に防止します。しかしメラニン色素はシミの原因になってしまいますので日光の当たり過ぎは禁物です。
メルケル細胞・・・触覚受容細胞で皮膚の感覚、圧迫や引っ張りを感知して、真皮に通った細胞を通して情報を伝達します。

・有棘層

・核を持つ大型の有棘細胞が10層程並ぶ、表皮の中で最も厚い層です。
・細胞間にリンパ液が流れて細胞へ栄養を運んでいます。
・皮膚の中で警備員のような役割を担うランゲルハンス細胞があります。
ランゲルハンス細胞は免疫細胞の一つで、体内に侵入した異物を感知してリンパ球に伝えるというセンサーの役割を担います。ランゲルハンス細胞は紫外線(UVB)を受けると数が減少したり、免疫情報の伝達能力が低下します。

・顆粒層

・核も含めて扁平な顆粒細胞が2~5層並ぶ薄い層です。ケラトヒアリンというガラス質状の顆粒があり、光を反射・屈折させる性質があります。このことから紫外線を跳ね返す効果があるといわれています。また、このケラトヒアリンは表皮に近づくにつれてアミノ酸に分解され、皮膚の保湿成分であるNMF(天然保湿因子)の主成分になります。

・角質層

・厚さ0.02mmの非常に薄い層
・皮膚の一番外側にあって肌のバリア機能を担っています。
核のない死んだ角質細胞が(部位等により異なりますが)10~20層程レンガのように積み重なったような構造で、これらの細胞の間に細胞間脂質が満たされています(ラメラ構造)。この時点で死んだ角質細胞は平べったい形になっています。
・角質細胞は主に硬いケラチンと呼ばれるタンパク質で出来ています。また天然保湿成分のNMFが存在し、角質層の水分を維持しています。

【バリア機能】

わずか0.02mmの角質層は角質細胞がレンガ状に積み重なり、外部からの科学的な刺激、細菌、ウィルスから内部組織を守ります。また、皮膚の水分が蒸散し過ぎないようにする働きがあり、乾燥を防止します。
>>角質層のバリア機能とは|正常な皮膚が肌を健康に守る

【ターンオーバー】

表皮は約28日(から42日)で常に新しい細胞に生まれ変わります。(年齢や個人差があります。)
基底層から角質層までが約14日間、角質層から細胞が無核化され垢となって剥がれ落ちるまでが約14日間です。年齢にもよりますが、新陳代謝がスムーズに行われる健康な皮膚であればこの周期が遅れることなく繰り返されます。
この基底層から細胞が生まれ最後に垢となって剥がれる一連の流れを「ターンオーバー」と呼びます。

日焼け過剰なピーリング等のスキンケアにより、皮膚が炎症を起こすとターンオーバーのサイクルが短くなります。そうなると角質層のバリア機能が正常に働く前に角質がはがれる事になり、皮膚がダメージを受けます。そのダメージにより、さらにターンオーバーのサイクルが短くなるという悪循環におちいってしまいます。
逆にターンオーバーのサイクルが長くなると、垢となって剥がれ落ちるべき角質が肌表面に残ってしまいます。こうして古い角質が残り続けると、肌がどんよりとくすんでしまいます。また、傷の治りも遅くなり、シミも沈着しやすくなります。
ターンオーバーは早くても遅くてもいいことはありません。ターンオーバーを程よいサイクルで維持する事が美しい肌を保つ秘訣です。
>>ターンオーバーを正常にする秘訣

「真皮」の構造と役割

真皮は皮膚の3層構造の2番目の層で、厚さは0.5mm~3mm程です。
皮膚の主役であり、肌のハリや弾力を保つ上で重要な役割を果たしています。深いシワやたるみはこの真皮の劣化によるものです。

さらに真皮は皮膚表面に近い方から

・乳頭層(にゅうとうそう)
・乳頭下層(にゅうとうかそう)
・網状層(もうじょうそう)

の3層構造になっています。

真皮の成分は「コラーゲン」が約70%を占め、このコラーゲンを支える「エラスチン」と呼ばれる線維があります。そしてその隙間を「基質」と呼ばれるゼリー状の液体が満たしています。このような「コラーゲン」「エラスチン」「基質」は「繊維芽細胞」という細胞から作り出されます。
真皮のコラーゲン線維とエラスチン線維の網目状の構造と、その間を埋める基質により、水分が十分に保持されている事で肌にハリや弾力を与えています。

他にも真皮には「血管」「リンパ管」「神経」「皮脂腺」「汗腺」等の付属器があります。
これらにより、温度、触覚、痛み等の刺激を感知する。汗腺から汗を出すことで体温を下げる。立毛筋を収縮させて毛を逆立たせることにより寒さを軽減させる。血管で栄養や酸素を細胞に送り届ける。皮脂線から皮膚を保護する皮脂膜を作る材料である皮脂を分泌する等といったことができます。

・乳頭層

基底膜と呼ばれる薄い膜を介して表皮に接している真皮の約1/5の厚さのわずかな層で、真皮乳頭という突起が並んでおり、表皮突起と組み合わさる形で密着しています。この突起の部分を乳頭層と呼びます。
乳頭層は神経と表皮へ栄養を送る血管があります。
加齢により真皮乳頭は平坦化していき、それに伴い波打つ形状によって保たれていた伸縮能力が低下して、徐々にたるみに影響してしまいます。

・乳頭下層

乳頭層の下部で、網状層との境目に非常に細かい網目状に広がる毛細血管があります。
成分は乳頭層と同じで、網状層に比べて水分が多く線維がまばらです。

・網状層

真皮の大部分を占める層です。網状層のコラーゲン線維は乳頭層よりも規則的に配列されており網のような構造をしています。これらの繊維は皮膚表面と平行に構成されており、皮膚にハリ・弾力を与えます。

【繊維芽細胞】

真皮を構成する成分「コラーゲン」「エラスチン」「基質」を産み出す細胞です。
繊維芽細胞」は古いコラーゲンやエラスチンを分解処理する役割も担います。紫外線や老化によって線維芽細胞の機能が弱くなると、肌のハリや弾力を保つ力が弱くなり、深いシワやたるみができてしまいます。

【コラーゲン】

コラーゲンは真皮の約70%を占める繊維状のタンパク質で真皮のメインの成分です。
真皮内部に網目状に張り巡らされており、皮膚のハリや弾力を保ち、水分をたっぷり保持する性質を持っています。
コラーゲンは加齢に伴って硬くなり、皮膚のハリや弾力もなくなっていきます。
またコラーゲンは分子が大きいため、皮膚表面に塗っても真皮には届きません。化粧品の成分にコラーゲンが含まれているのは、その高い水分保持能力によるものです。

【エラスチン】

エラスチンは真皮の約2~5%を占める繊維状のタンパク質です。
網目状に張り巡らされているコラーゲンを束ねて皮膚を内側から支える重要な役割を担っています。

【基質】

真皮の網目状に存在する線維の隙間を満たしているヒアルロン酸を主成分とした、グリコサミノグリカン(酸性ムコ多糖類)というゼリー状の液体です。
ヒアルロン酸は非常に優れた水分保持能力があり、ヒアルロン酸1グラムで水分を6リットルを保持する事ができるといわれています。

「皮下組織」の構造と役割

・皮下組織は皮膚の3層構造の一番内側の層で、表皮と真皮を支える役割があります。
平均4~9mmの厚みがある組織ですが、皮膚の薄い頭部、額、鼻などは約2mmです。
・大部分が皮下脂肪という中性脂肪から成り、血管、神経、汗腺などを保護しています。
またその脂肪で断熱や保温、エネルギーを作り出す役割をしており、外部からの物理的な衝撃に対するクッションの役割も果たしています。
・皮下組織はそのほとんどが脂肪のため、増減が激しい部位でもあります。
また、脂肪は自らを支える力が弱いため、多すぎるとその重さによってたるみます。反対に少なすぎると、表皮と真皮を支える役割を、皮下組織に下にある筋肉が直接支える事になります。この場合真皮を直接筋肉で支えるような形になり、表情筋等の筋肉の動きの激しい部分はクセによるシワの原因になる可能性があります。

皮膚は外部からの様々な刺激から体内の組織を守る

箱に入った子ども

これまで、皮膚の構造と役割をパーツごとにお伝えしました。
人間に限らず、多くの動物が皮膚を備えています。その目的は外部からの様々な刺激から体内の組織を守ことです。また、身体全体の調和を保つ様々な機能を持っています。その機能とはどんなものなのでしょうか。

①バリア機能
②センサー機能
③体温調節機能
④新陳代謝機能
⑤分泌排泄機能
⑥吸収機能
⑦プロビタミンD3生成機能

①バリア機能
・物理的な刺激や科学的な刺激、細菌、ウィルスから内部組織を守る。
・皮膚の常在菌が有害な細菌から守ります。
・水分の蒸発や透過を防ぐ
・色素細胞(メラノサイト)は紫外線によってメラニンと呼ばれる色素を生産し、紫外線によるDNAの破壊や皮膚癌の発生を未然に防止

②センサー機能
・暑い寒い等の温度や、痛い痒い等の外部の刺激を感知します。

③体温調節機能
・体温を調節します。

④新陳代謝機能
・ターンオーバーにより肌を新しくして不要なものを取り除きます。

⑤分泌排泄機能
・汗、皮脂、表皮脂質などを分泌排泄します。

⑥吸収機能
・経皮吸収・・・皮膚は物質を吸収する事ができますが、これは皮膚本来の機能ではありません。身体に有害な物質ではなくても、沢山の物質を皮膚に吸収させようとすることは皮膚に負担をかける事になり、あまりいいことではありません。

⑦プロビタミンD3生成機能
・皮膚は紫外線に当たる事により、ビタミンDを作るのに必要なプロビタミンD3を生成します。
ビタミンDは骨を丈夫にしたり、血中のカルシウム、リンを一定に保ったり、くる病や骨粗鬆症を予防、妊娠しやすいからだ作り、精神トラブルの関連性、免疫強化が期待されています。

まとめ

眼鏡をかけた女性

今回は皮膚の構造と働きについてお伝えしました。皮膚は人体最大の臓器で、外の様々な環境から身体を守るとても重要な役割をしています。そのため、とても薄い組織でありながら、とても複雑な構造になっていて、様々な機能が備えられています。

皮膚の構造や役割を知れば、化粧品を使う意味やタイミングを判断できるようになれます。化粧品の効果が及ぶのはせいぜい角質層までです。(ですがとても大事です!)
化粧品の成分でコラーゲン等の真皮に含まれる成分が配合されていることがありますが、これはコラーゲンが真皮まで浸透するわけではなく、保湿成分として使われているだけです。なのでもし真皮にコラーゲンを届かせたいならば食事からになります。

また、皮膚は上記の機能や役割だけでなく、人の容姿に影響を与え、他人に与える印象にも大きく関わっています。皮膚の構造と役割を知り正しくケアしていく事が、健康で美しい肌になる一番の近道です。

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