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角質層のバリア機能が潤った美肌を作る|3大保湿因子と美肌菌とは

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肌のバリア機能とは、外部からの異物の侵入や刺激等から身体を守り、肌の潤いを保つ機能のことです。
角質層という僅か0.02mmの層がその役割を担っています。

潤った健康な肌を保つにはこのバリア機能がしっかり働いている必要があります。
肌が荒れている、肌が乾燥している、敏感肌だという方はバリア機能が低下している証拠です。
バリア機能がしっかりと働いて、潤いの保たれた肌は、肌理(キメ)が整って透明感があります。ハリやツヤもある強い肌です。
角質層のバリア機能で美肌を保ちましょう。

肌の乾燥を防ぐ機能|3大保湿因子

角質層には肌を乾燥から守る機能が備わっています。外気の乾燥に負けずに肌の水分を保つ機能です。
この保湿を語る上で欠かせない要素が、「NMF(天然保湿因子)」「細胞間脂質(セラミド)」「皮脂膜」の3大保湿因子です。

・NMF(天然保湿因子)

角質細胞内に存在し、水分を保持する働きを持つ成分です。NMF(エムエヌエフ)は「Natural Moisturizing Factor(ナチュラル モイスチャライジング ファクター)」の頭文字をとった略語で、これを訳すと「天然保湿因子」になります。
NMFは約50%がアミノ酸でできており、肌の潤いを保つうえでとっても重要な成分です。約20種類の成分で構成されていて、ピロリドンカルボン酸、乳酸、尿素、ミネラル、有機酸等の低分子の成分が含まれます。

MNFは親水性が高く、水分をつかんで角質細胞に潤いを保ち、角質層の柔軟性弾力性を与える働きをしています。このMNFが不足すると、肌の水分を保つ力が弱くなり、いくら化粧水等で水分を与えても肌が乾燥しやすい状態になってしまいます。

NMFは表皮細胞が(顆粒細胞から角質細胞へ)ターンオーバーする過程で作られます。
ターンオーバーが正常に行われていれば、NMFは肌に適度に存在して、常に肌の潤いを保ってくれます。しかし加齢や栄養不足、疲労、睡眠不足等でターンオーバーが乱れてしまうと、古い角質が垢となって剥がれ落ちるべきところが肌表面に残ってしまったり、反対に表皮が未熟なまま剥がれてしまったりすることがあります。そうなるとMNFが肌の表面に存在できない、正しく生成されない、といったトラブルにつながります。
こうなってしまうと、肌が乾燥しやすくなり、さらにターンオーバーが乱れてしまうという悪循環に陥ってしまいます。

さらに、MNFは加齢とともに減少するうえ、過度の洗顔等の肌の洗いすぎ、肌を掻く、擦る等の摩擦によっても肌から失われます。
またアトピーの症状や、日焼けによる炎症などのトラブルによってもMNFが失われやすくなります。

>>ターンオーバーが乱れる原因と対策

細胞間脂質(セラミド

レンガの壁(小)細胞間脂質角質層の細胞と細胞をつなぐ役割をしている脂質で、その約40~50%を占めるのがセラミドです。ほかにはコレステロール遊離脂肪酸等で構成されます。
このセラミドコレステロール遊離脂肪酸はmol比では1:1:1で存在し、多層のラメラ構造を形成しています。このラメラ構造が水分を挟み込み、水分が肌から逃げないようにしっかりつかまえて肌の保湿に大きく貢献しています。
特にセラミドは多くの分子種で構成されていてバリア機能において大きな役割を果たします。
また細胞間脂質はNMFを安定させる役割もあります。

細胞間脂質は、細胞の断面ををレンガの壁に例えるとレンガを固定しているモルタルのような役割をしています。
細胞間脂質が細胞同士をくっつけることによって、角質層がしっかりとした構造になり、肌を乾燥などから守っているのです。

・皮脂膜

皮脂膜は肌(角質層)の表面に形成され、水分の蒸散を防ぎます
皮脂膜は「汗」と「皮脂」を材料として作られる膜で、天然のクリームとも呼ばれています。
体温等(35~36度)によって溶けて肌表面に広がり、肌表面に薄い皮膜を形成します。
皮脂膜は肌の一番表層を覆い様々な役割を担います。
・外からの刺激や乾燥から肌を守る
・油分で蓋をして角質層の水分の蒸散を防ぐ(肌の潤いを保つ)。
・角質層の剥離を防ぐ。
・油膜のにより肌の滑らかさを保つ。(スクワレン等の働き)
・柔軟性や弾力性を保つ。
・細菌の皮膚への侵入を防ぐ。
・暑さや寒さをやわらげる。
皮脂膜の素になる皮脂の量は多すぎても少なすぎてもいけません
皮脂が少なすぎると、上記のバリア機能が弱くなってしまいます。
皮脂が多すぎると、ニキビや皮膚の炎症の原因になりますし、見た目もテカテカでベタついた肌になります。

3大保湿因子はどれが欠けてもダメなんです

NMF細胞間脂質が肌の細胞や細胞間の水分を保持して、さらに皮脂膜で蓋をして水分の蒸散を防ぐ。こうして肌の潤いが保たれています。

この3大保湿因子が十分に機能している事が肌の乾燥を防ぐ上でとても重要です。
これらの「NMF(天然保湿因子)」「細胞間脂質(セラミド)」「皮脂膜」等は人の肌にもともと備わっているもので、通常であれば特に何もしなくても肌はこれらの成分を自動的に作り出してくれます。

お肌の状態が常に良好で、これらの要素がしっかり機能すればいいのですが、なかなかうまくいかない事もあります。洗顔時に強く擦ったり、肌を掻いてしまったり、外気の乾燥や体質、加齢、紫外線等様々な原因でバランスが崩れてしまいます。そこを補ってあげることが保湿なのです。

できるだけ早く肌を良好な状態に戻すためには、可能な限り肌が潤っている状態を保つことが重要です。
そのためには乱れた保湿能力を化粧品等で外から補って肌の潤いを保つ手助けをする必要があります。
同時に食事によって肌の環境を内側から改善するのも、即効性はありませんが効果的です。
今までの保湿方法や食事に少しでも不安感じた方は、下記リンクの記事も参考にしてください。

>>乾燥スパイラルから脱出する|肌の潤いを保つ保湿方法
>>体の内側から潤いを|肌の乾燥に効く食事のコツ

常在菌が有害な細菌から肌を守って美肌をつくる

皮膚表面には常在菌が存在します。この皮膚常在菌も私たちの皮膚を守ってくれています。
菌と言われると悪いイメージを持たれる方もいらっしゃるとは思いますが、皮膚常在菌は美肌には欠かせない存在です。「菌活」や「肌フローラ」という言葉が出てくるくらい注目されています。
この皮膚常在菌は1兆個以上身体に存在しているといわれています。年齢や健康状態にもよりますが、肌表面1cm²あたり10万個以上存在している部位もあります。
種類にしてみると200種類以上。
しかしそのすべてが皮膚にとっていい菌だとは限りません。
皮膚常在菌の種類は大きく分けて3種類あります。
善玉菌(ぜんだまきん)」「悪玉菌(あくだまきん)」「日和見菌(ひよりみきん)」です。
善玉菌悪玉菌は読んで字のごとく肌に良い働きをする菌と悪い働きをする菌です。
日和見菌は善玉菌や悪玉菌と比べてあまり聞きなれない名前ですが、皮膚常在菌の約7割を占めています。日和見菌の大きな特徴は、善玉菌と悪玉菌の両者のうちで強い方に味方するということです。

皮膚常在菌のうち、それぞれの代表的な菌としては
・善玉菌:表皮ブドウ球菌
・日和見菌:アクネ菌
・悪玉菌:黄色ブドウ球菌
があります。

善玉菌|美肌菌とよばれる表皮ブドウ球菌とは

表皮ブドウ球菌美肌菌と呼ばれ肌の環境を良好に整えたり保湿してくれたりと、肌の常在菌の中でもとても優秀な菌です。空気を好み、肌表面に存在しています。

表皮ブドウ球菌は皮脂や汗をエサにして脂肪酸グリセリンを作り出してくれます。
脂肪酸は肌を弱酸性に保ち、悪玉菌である黄色ブドウ球菌等の繁殖を抑制します。
グリセリン脂肪酸皮脂膜の材料となり、肌の保湿機能を維持します。

つまり、表皮ブドウ球菌が活発な肌は、肌トラブルが少ない潤った健康な肌ということです。

このように、肌にとって良い影響を与えてくれるのが、善玉菌の特徴です。

日和見菌|ニキビの原因?アクネ菌とは

アクネ菌は毛穴の奥や皮脂腺等に存在する空気に弱い常在菌です。
アクネ菌と聞くとニキビの原因になる悪い菌だと思われがちですが、実は美肌菌としての働きもしてくれます。
善玉菌の表皮ブドウ球菌と同じく、皮脂や汗をエサにして脂肪酸グリセリンを作り出して肌の保湿や環境維持に貢献してくれます。

しかし、食生活やホルモンバランスの崩れ等により、肌の環境が悪くなり、皮脂が毛穴に詰まったりすると
空気に弱いという弱点の無くなったアクネ菌が、詰まった皮脂をエサにして、脂肪酸を作りながら毛穴の中で大量に増殖します。この大量の脂肪酸により毛穴が炎症を起こしてニキビの原因になります。

このように、環境によって良くも悪くもなるのが日和見菌の特徴です。

悪玉菌|痒みや炎症を引き起こす黄色ブドウ球菌とは

黄色ブドウ球菌は食中毒の原因として有名ですが、身体への悪影響はそれだけではありません。

善玉菌の表皮ブドウ球菌が少なくなると、肌がアルカリ性に傾き黄色ブドウ球菌が増殖します。

黄色ブドウ球菌が増殖すると、皮膚に痒み炎症を引き起こします。
さらにこの痒み等が原因で爪などで肌を掻いてしまって、傷になり、さらに傷口が化膿してしまうという悪循環になる可能性があります。

このように、痒みや炎症、化膿などの肌にとって悪い影響を与える常在菌が、悪玉菌の特徴です。

善玉菌にとって良い環境って?

肌の善玉菌にとって居心地がいい肌のpH値はpH4.5~6.5の弱酸性です。また、角質層の保湿成分の一つであるアミノ酸にとっても居心地のいい環境です。

反対に弱酸性ではなくなると、善玉菌にとって悪い環境になります。
油分が少ない状態(敏感肌や乾燥肌といわれる状態)だと肌がアルカリ性に傾きます。
油分が多く、皮膚表面に残った油分をそのままにしておくと皮脂の成分が酸化して、肌が酸性に傾きます。
どちらも善玉菌にとっては良くない環境です。

肌を弱酸性に保つ事はバリア機能を保つ上でとても重要です。
そのためには善玉菌のエサになる皮脂が肌になければいけません。つまり肌の洗いすぎもよくありません。
肌を洗いすぎてしまうと、美肌菌の表皮ブドウ球菌まで洗い流してしまいます。肌が乾燥して、雑菌が繁殖、体臭が強くなったりもします。
表皮ブドウ球菌を増やすことを意識していきましょう。

>>肌フローラを整える|皮膚常在菌を育てる菌活コスメ

まとめ

僅か0.02㎜の中にこれだけの機能が備わっているなんて驚きですよね。これまでの話を簡単にまとめますと。
3大保湿因子の役割
・乾燥を防いで、肌の潤いを保つ
・肌に柔軟性や弾力性を与える
・外部の刺激から肌を守る
・角質層の剥離を防ぐ
・肌の滑らかさを保つ
・細菌の皮膚への侵入を防ぐ
・暑さや寒さをやわらげる
3大保湿因子を維持するには
・過度な洗顔をしない
・肌の摩擦を避ける
ターンオーバーを正常に保つ
・栄養バランスのとれた食事
・疲れを溜めない

常在菌の役割
・有害な細菌の繁殖を抑制
・皮脂膜の形成
常在菌を良好に維持するには
皮脂の過剰分泌を予防して毛穴を詰まらせない
・肌を弱酸性に保つ
・常在菌の栄養源である皮脂を洗い流し過ぎない

バリア機能がきちんと働いていると、健康で美しい肌を保つことができます。
健康で美しい肌は、肌理(キメ)が整っていて、透明感があります。
肌表面の状態も弱酸性で常在菌もしっかり役目を果たしてくれます。
そのためにはバリア機能を低下させない正しいスキンケアをしていくことが大事です。
バリア機能が正常な健康で美しい肌になれたら、人と会ったり、お出かけしたり、毎日が楽しくなるのではないでしょうか。

>>肌のバリア機能が低下する12の原因と対策|老化にNO!
>>肌のバリア機能を回復させる方法|おすすめのスキンケア化粧品◯選

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